① 主な症状(医学的見地) 骨盤の歪みは特定の単一疾患ではなく、骨盤周囲の筋・靭帯バランスの乱れや仙腸関節の機能障害によって生じる状態を指します。主な症状として腰痛・仙腸関節部の鈍痛・臀部痛が挙げられます。骨盤の左右非対称は下肢長差(脚の長さの違い)を生み出し、歩行時の跛行・膝・足首への二次的な負荷をもたらします。前傾(反り腰)では腰椎前弯の増大・腹部の突出、後傾では腰椎フラットバック・臀部の垂れ下がりが現れます。さらに骨盤の歪みは脊柱全体のアライメントに波及し、肩こり・頭痛・自律神経の乱れ・月経不順などの全身症状を引き起こすこともあります。 ② 原因(医学的見地) 骨盤は腸骨・坐骨・恥骨・仙骨・尾骨で構成され、仙腸関節・恥骨結合によって連結されています。歪みの主因は骨盤周囲筋群の筋力アンバランスです。腸腰筋・大腿直筋の短縮は骨盤前傾を、ハムストリングス・腹筋群の短縮は後傾を招きます。長時間の不良姿勢(片側重心・脚組み・横座り)・左右非対称なスポーツ動作・出産による骨盤靭帯の弛緩なども原因となります。また仙腸関節機能障害として、関節面のわずかなずれが周囲筋の防御性収縮を引き起こし、痛みと機能制限をもたらすことも医学的に認められています。 ③ 整体でできる対処法 まず腸腰筋・大殿筋・中殿筋・梨状筋・内転筋群・ハムストリングスの筋力バランスを評価し、短縮・過緊張筋に対してトリガーポイント療法・筋膜リリースを行います。次に仙腸関節モビリゼーションによって関節面の動きを正常化し、周囲筋の防御性収縮を解除します。骨盤前傾タイプには腸腰筋ストレッチと腹横筋の活性化、後傾タイプにはハムストリングスリリースと腸腰筋強化を優先します。左右差がある場合は短縮側の筋リリースと弱化側の筋活性化を組み合わせます。セルフケアとして片側重心・脚組みなど非対称姿勢の習慣改善・ヒップヒンジ動作の習得・骨盤底筋群を含むインナーマッスルトレーニングもあわせてご指導されることをおすすめします。