① 主な症状(医学的見地) 脊柱管狭窄症の最大の特徴は間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。歩行や立位を続けると臀部・下肢にしびれ・痛み・脱力感が生じ、前屈みになって休憩すると症状が和らぎ、また歩けるようになるという繰り返しのパターンを示します。腰椎を伸展(反らす)すると症状が増悪し、前屈すると軽減するのが椎間板ヘルニアとの大きな鑑別点です。神経根型では片側の下肢症状が中心となり、馬尾型では両側の下肢症状・会陰部のしびれ・排尿障害(神経因性膀胱)が現れます。重症例では速やかな医療機関への受診が必要です。 ② 原因(医学的見地) 主な原因は加齢に伴う脊柱管構成組織の変性・肥厚です。具体的には、黄色靭帯の肥厚・骨棘(こつきょく)の形成・椎間板の膨隆・椎体のすべり(腰椎すべり症)などが複合的に生じることで脊柱管が狭小化し、内部を走行する馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫・虚血状態に陥ります。腰椎伸展時に脊柱管はさらに狭くなるため症状が増悪します。50〜70代以降に多く発症し、長年の不良姿勢・肥満・重労働・骨粗鬆症なども発症リスクを高める要因とされています。 ③ 整体でできる対処法 本症は腰椎伸展で症状が増悪するため、腰椎の過度な伸展を避けた姿勢管理が大前提となります。整体では腰椎屈曲方向へのモビリゼーションや骨盤後傾を促すアプローチによって脊柱管の相対的な拡大を図り、神経への圧迫を緩和します。腸腰筋・大腿直筋などの股関節屈曲筋群の短縮は腰椎前弯を増大させるため、これらのリリース・ストレッチも重要です。また胸椎の可動性向上により腰椎への負荷を分散させます。セルフケアとして自転車エルゴメーター(前傾姿勢での有酸素運動)・膝を抱えるストレッチ・シルエット歩行(やや前傾姿勢での歩行)・腹筋強化による体幹支持力の向上もあわせてご指導されることをおすすめします。症状の進行がみられる場合は必ず医療機関と連携してください。