20260531
「開脚が全然できなくて」「階段の上り下りで股関節がつまる感じがする」。そう訴える患者さんの身体を診ていると、柔軟性の問題だけでは説明できない、ある共通したパターンが見えてきます。股関節の硬さは、股関節そのものよりも別の場所に原因があることが、実は少なくないのです。
最も多い共通点が、呼吸が浅いことです。意外に思われるかもしれませんが、横隔膜と腸腰筋は解剖学的に隣接しており、互いに影響し合っています。浅い呼吸で横隔膜の動きが小さくなると、腸腰筋が慢性的に緊張し、股関節の動きを内側から制限します。深呼吸を意識するだけで股関節の可動域が変わる方がいるのは、このためです。
次に多いのが、足首の硬さです。身体の関節は連動しており、足首の動きが制限されると、その代償として膝・股関節・骨盤へと負担が連鎖します。股関節を一生懸命ほぐしても改善しない場合、足首にアプローチすると劇的に変わることがあります。
また見落とされがちなのが、内臓の緊張です。腸や子宮などの内臓は靭帯で骨盤内に固定されており、内臓が疲弊して硬くなると骨盤底筋群が緊張し、股関節の可動域を狭めます。便秘や生理痛を抱える方に股関節の硬さが多いのは、決して偶然ではありません。
股関節の硬さを「股関節だけの問題」と捉えると、改善の糸口を見逃します。身体はすべてつながっている。その視点を持つことが、根本解決への近道です。