① 主な症状(医学的見地) 膝関節痛は膝前面・内側・外側・膝蓋骨周囲など部位によって様相が異なります。最も多い変形性膝関節症では、歩行開始時の起動時痛・階段昇降時痛・正座困難が典型的な初期症状です。進行すると安静時痛・夜間痛が現れ、関節内に炎症性滲出液が貯留する関節水腫(水が溜まる状態)を生じることもあります。さらに進行するとO脚変形(内反変形)が顕著になり、関節可動域が著しく制限されます。半月板損傷では関節のロッキング(膝が動かなくなる)、靭帯損傷では不安定感・膝くずれが特徴的な症状として現れます。 ② 原因(医学的見地) 最多原因は変形性膝関節症で、関節軟骨の摩耗・変性による骨棘形成・関節裂隙の狭小化が主病態です。女性・高齢者・肥満者に多く、大腿四頭筋の筋力低下が関節への衝撃吸収能を低下させ変性を促進します。半月板損傷はスポーツ外傷や加齢変性によって生じ、膝関節の安定性・クッション機能が失われます。膝蓋腱炎(ジャンパー膝)・腸脛靭帯炎(ランナー膝)・鵞足炎(がそくえん)などは過負荷による腱・靭帯の炎症です。また足部アーチの低下・股関節筋力低下・骨盤の不安定性が膝へのアライメント異常を引き起こすことも重要な要因です。 ③ 整体でできる対処法 まず大腿四頭筋・ハムストリングス・腸脛靭帯・鵞足部・腓腹筋などの過緊張筋に対するトリガーポイント療法・筋膜リリースを行い、膝関節への圧迫・牽引ストレスを軽減します。次に膝関節モビリゼーション(膝蓋骨の可動性改善・脛骨の滑り運動)によって関節内の動きを回復させ、軟骨への栄養供給を促します。股関節外転筋(中殿筋)の強化・足部アーチの調整による下肢アライメントの改善も、膝への内反ストレス軽減に有効です。セルフケアとして大腿四頭筋セッティング(膝を伸ばしたまま太ももに力を入れる運動)・水中歩行・適切な体重管理・サポーターの活用・正しい歩行フォームの指導もあわせて行うことをおすすめします。急性炎症・関節水腫・靭帯損傷が疑われる場合は必ず医療機関との連携を優先してください。