産後ママの腱鞘炎を放置してはいけない理由

20260614

「赤ちゃんを抱っこするたびに手首が痛い」「親指の付け根が腫れて、ミルクの哺乳瓶も持てない」。産後の腱鞘炎を訴えるお母さんが、当院には後を絶ちません。授乳・抱っこ・おむつ替えと、産後の手首はほぼ休みなく酷使され続けます。しかし多くのお母さんが、「育児中は仕方ない」と痛みを我慢し、放置してしまいます。この放置こそが、最も避けるべき選択です。
産後に腱鞘炎が起きやすい背景には、ホルモンの変化があります。出産後はリラキシンというホルモンの影響で靭帯全体が緩んでいる状態です。関節の安定性が低下したまま、慣れない抱っこ動作を何十回も繰り返す。腱への負荷が通常の何倍にもなるのは、ある意味で必然です。
放置してはいけない最大の理由は、慢性化と重症化のリスクです。初期の腱鞘炎は安静とケアで比較的早く改善しますが、痛みを抱えたまま使い続けると、腱の肥厚や癒着が進みます。やがて指が引っかかって動かなくなる「ばね指」へと移行し、最終的には手術が必要になるケースもあります。
さらに見落とされがちなのが、代償動作による二次障害です。手首を�庇うことで、手の動かし方が歪み、肘・肩・頸椎へと負担が連鎖します。腱鞘炎から始まった問題が、やがて肩こりや頭痛の原因になっているお母さんを、院長として何人も見てきました。
また、痛みを抱えたままの育児は、精神的な消耗にも直結します。抱っこのたびに痛みが走る状況は、赤ちゃんとの大切な時間を苦痛に変えてしまいます。
産後のお母さんの身体は、赤ちゃんと同じくらい丁寧なケアを必要としています。痛みを「育児の勲章」として我慢しないでください。早期に専門家へ相談することが、お母さんと赤ちゃん、両方の未来を守ります。

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