20260603
「膝が痛くて整形外科に行ったら、異常なしと言われました」。そう困惑した表情で来院される患者さんが少なくありません。画像診断で骨や軟骨に問題が見つからないにもかかわらず、膝の痛みが続く。その理由は、膝の外側ではなく、体全体のバランスの崩れに隠れていることがほとんどです。
膝関節は本来、曲げ伸ばしに特化したシンプルな関節です。しかしその上下、すなわち股関節と足首が正しく機能していなければ、膝はその歪みをすべて引き受けることになります。整体の世界では「膝は被害者であり、犯人は別にいる」とよく言われます。
最も多いパターンが、股関節の硬さによる膝への過負荷です。股関節の動きが制限されると、歩行や階段動作のたびに膝が内側に入り込む動き(ニーイン)が生じます。この不自然なねじれが積み重なることで、膝の内側や膝蓋骨まわりに慢性的な炎症が起きます。
見落とされやすいのが、足首のアライメントです。扁平足や回内足(土踏まずが内側に崩れる状態)があると、足首から膝へのねじれが常に発生します。インソールや足首へのアプローチで膝の痛みが劇的に改善するケースは、この典型です。
さらに骨盤の傾きも無視できません。骨盤が左右非対称に傾けば、左右の膝にかかる体重配分が変わり、負担が偏った側の膝に痛みが集中します。
膝を診るときは、必ず足首・股関節・骨盤を含めた全体を評価する。この視点なくして、膝の痛みの根本解決はありません。身体はすべてつながった一つのシステムです。