① 主な症状(医学的見地) 股関節痛は鼠径部(そけいぶ)・臀部・大腿前面・膝周囲にかけての痛みとして現れることが多く、「どこが痛いのか特定しにくい」という特徴があります。歩行開始時の起動時痛、長時間歩行後の労作時痛、階段昇降・しゃがみ込み・片脚立位での痛みが典型的です。進行すると可動域制限(特に内旋・外転の制限)が生じ、靴下の着脱・爪切りが困難になります。重症例では安静時痛・夜間痛が現れ、下肢長差による跛行(はこう)や腰椎への代償負荷から二次的な腰痛を引き起こすこともあります。 ② 原因(医学的見地) 最も多い原因は変形性股関節症で、関節軟骨の摩耗・変性により骨棘形成・関節裂隙の狭小化が生じます。日本では臼蓋形成不全(股関節の屋根が浅い)を素因とする二次性変形が多く、女性に多く発症します。その他、大腿骨頭壊死症・股関節唇損傷・FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)・滑液包炎・腸腰筋腱炎なども原因となります。肥満・筋力低下・過去の股関節疾患(ペルテス病・先天性股関節脱臼など)も発症リスクを高めます。スポーツ選手では過負荷による疲労骨折・腸腰筋炎症も鑑別が必要です。 ③ 整体でできる対処法 まず股関節周囲筋(腸腰筋・大殿筋・中殿筋・梨状筋・内転筋群)の過緊張に対するトリガーポイント療法・筋膜リリースを行い、関節への圧迫ストレスを軽減します。次に股関節モビリゼーション(牽引・滑り運動)によって関節内の動きを改善し、軟骨への栄養供給促進と可動域回復を図ります。骨盤アライメントの調整および腰椎・膝関節との連動性の回復も重要なアプローチです。セルフケアとして中殿筋・腸腰筋の強化トレーニング・水中歩行などの関節負荷の少ない有酸素運動・適切な体重管理・歩行時の靴のインソール調整もあわせてご指導されることをおすすめします。症状の進行や夜間痛がある場合は医療機関との連携を優先してください。